「会議室から会話が漏れてしまっていないか」「周りの話し声で集中できない」
サウンドマスキングは、このような悩みを解決できる効果を持つ仕組みです。
オフィスの音環境を整備することは従業員が快適に働くためにも重要なことですよね。
この記事ではサウンドマスキングについて解説し、おすすめの音環境サービスも紹介していきます。
オフィスにサウンドマスキングの導入を検討されている方は、この記事を読んで参考にしてみてくださいね。
この記事のもくじ
(ヤマハ株式会社HPより引用)
「サウンドマスキング」とは、会話などの音が発生する空間にあえて他の音を流すことで音漏れ、会話漏れを遮断するシステムのことを指します。
サウンドマスキングにはJ-popなどのメロディーや歌詞のある音楽(有意味音)ではなく、空調音や自然音(無意味音)が使われます。
サウンドマスキングを導入することで機密性を高める効果や、生産性、集中力向上効果が見込まれています。
ここでは、それらの効果について解説していきます。
会議を行う際、隣の会議室や会議室の前を通る人に会話内容が聞こえてしまわないかといった不安を解消できるのがサウンドマスキングです。
近年では、会話の内容が他の人に聞きとられることで、プライバシー侵害やセキュリティ低下につながらないようにするスピーチプライバシーという考え方があり、機密性を高められるサウンドマスキングが注目されています。
コクヨ株式会社が行った調査によると、サウンドマスキングありとなしを比べた結果、以下のようにマスキング効果がわかっています。
また、機密性の効果があるサウンドマスキングは病院の診察室や、銀行のブースといったシーンにも活用されています。
また、生産性や集中力向上の効果も期待できます。
2020年は、オンラインでの会議が一気に普及した年でしたよね。
オフィスにいながら取引先等とオンライン会議ができる体制が整い、その分会議室や応接室ではなく自分の席や共用スペースからウェブ会議に参加することが増えたのではないでしょうか。
そこで以前にはなかった「ウェブ会議の際に周りの声が気になる」という悩みが浮上してきました。反対に隣の席でウェブ会議が行われている際も自分の作業に集中できないといった悩みもあるかと思います。
これらの悩みに対しても、「サウンドマスキング」を活用することで周りの声を遮断することで解消できます。
音がある環境だと気を取られてしまわないかという不安があるかと思いますが、もともと人間の脳は「無音だと集中できない」という性質があります。
ただ、「音」の種類が会話や歌詞といった有意味音だと気を取られてしまい、業務効率を悪くしてしまいます。そこで、無意味な環境音でカモフラージュ(=サウンドマスキング)することで集中力を高めることができるといわれています。
サウンドマスキングをオフィスに導入したい場合は、オフィス用に開発された専門の音響システムがあります。ここでは、おすすめしたい音環境サービスを目的別に紹介していきます。
会議室や病院の診察室など、機密性を保持するためにサウンドマスキングを導入したい場合はコクヨやヤマハのサウンドマスキングのために開発されたシステムがおすすめです。
サウンドマスキングの導入を検討する際に必ずあがってくるのがコクヨ株式会社のサウンドマスキングシステムだと思います。
コクヨ株式会社のサウンドマスキングは空調音のような背景音をわざと会議室などに流します。この背景音が隣室や会議室外への音漏れを限りなく少なくするシステムです。
また、スピーカーは天井裏に設置されますが、間接音方式といって天井内に上向きに取り付けられます。これによって背景音が反射して、より自然な音が空間全体にいきわたります。
楽器やオーディオ関連製品業界では有名なヤマハ株式会社もサウンドマスキング効果のあるスピーチプライバシーシステム「VSP-2」を販売しています。
ヤマハ株式会社の音響システムは、ヤマハ独自の情報マスキング音、川のせせらぎなどの環境音、楽器などの演出音を組み合わせることで、マスキング効果だけでなく心地よさも提供しています。
スピーカーも1台0.17kgで、コンパクトな手のひらサイズで簡単に取り付け可能です。
また、国内最大級のICTイベント「Interop Tokyo 2019」にてBest of Show Awardのセキュリティ部門審査員特別賞を受賞しています。以下審査委員会のコメントになります。
参考価格:178,000円(税抜き)
※アンプとスピーカー本体、また取り付け費用は別料金
公式HP:https://sound-solution.yamaha.com/products/speechprivacy/vsp-2/index
先ほどお話ししたようにウェブ会議が普及したことで「周りの声、音が気になる」という悩みを解消したい、またオフィスでの生産性や集中力を向上させたい、といった場合は必ずしもサウンドマスキング専門のスピーカーである必要はないです。
もちろん上記2つのサービスも生産性や集中力アップ効果が見込めますが、選択肢を広げるという意味で紹介したいサービスが、自然音の音響サービスです。
ヤマハ株式会社の音響システムにも自然音が入っていましたよね。ここでは2つの自然音響サービスを紹介します。
まず紹介したいのがKooNeというサービスです。
ハイレゾリューション音源とは、高音質・広域帯で録音した音源のことを言い、人の可聴上限を超えた高周波の音の再生を実現します。
自然音が主ですが、ピアノ、ギターなど自然音と調和するアンビエントサウンドもあり、これらのメロディーや歌詞のない音がサウンドマスキングとしても働きます。
また、KooNeはスピーカーを天井や壁など様々な位置に取り付ける独自の空間音響設計が特徴です。
これにより、鳥の声は上から、川の音は下からといったようにより自然の空間を作り出します。
参考価格:約300万円(約40~50平米程度の広さ)
音源使用料25,000円/月
音響デザイン費用が別途必要
公式HP:http://www.koone.jp/
R-LIVEは1つ目のKooNeと特徴は似ていますが、より気軽に導入できる音響サービスです。
1つ目はKooNeと同じようにハイレゾ音源の自然音が特徴です。
また、R-LIVEはサーカディアンリズム(概日リズム、生体時計)に基づき、自然界の森と、年間を通して生活圏の時間を合わせるスケジューラーを組み込んでおり、このシステムは現在特許出願中のようです。
床置き型のスピーカーなので工事が必要ないのも大きな特徴です。そのため設置も20~30分程度で完了しますし、価格も大きく抑えることができます。
参考価格:33万円~(約40~50平米程度の広さ)
4,500円/月
公式HP:http://www.r-live.co.jp/
▼R-LIVEとKooNeの製品紹介はコチラの記事でより詳しく解説していますので是非お読みください。
今回は音で音を相殺するサウンドマスキングについて紹介しましたが、他にも音環境整備の選択肢があるので参考にしてみてください。
防音・吸音パネルとは、音をパネルが吸収することで防音効果があるだけでなく、反響による不快なノイズを軽減する効果等もあるもので、あとから壁や床に貼り付けられる製品です。
60×60cmや40×40cmなどサイズは様々で、価格も2,000円から10,000円以上する製品まで幅広いですが、他の音環境整備製品と比べて安価、取り付けも簡単であることが特徴です。
パネル自体の色や形が豊富にあるので、パネルを活用して会議室の雰囲気をがらっと変えることも可能ですね。
元からある会議室の音漏れ防止とは多少異なってしまいますが、WEB会議が増えたことで1~2名が入れるようなボックス型の会議室の導入を進める企業もあります。
例えばスマートワークブース「TELECUBE」は、防音はもちろんのことテーブルとイス、WEB会議ができるPCが設置されておりセキュリティと集中できる環境を提供しています。
1人用のブースであれば12か月プランは69,800円/月から契約することができ、オフィスにスペースがあれば非常に現代に合った画期的なサービスといえそうです。
今回の記事は、サウンドマスキングについて紹介してきました。
近年注目されていましたが、WEB会議が進んだことでより音環境を見直す企業が増えるのではないでしょうか。
この記事がオフィスの音環境を見直す際の参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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