最近、BGMを職場に取り入れる企業が増えています。
様々なアンケートや研究結果からも、社員が音楽の導入を求めていることが分かっています。しかし実際に、音楽を取り入れることによって仕事にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
この記事では、仕事における音楽の効果や、職場でおすすめのBGMを紹介していきます。
ぜひ最後までお読みください。
この記事のもくじ
オフィスBGMは、ただ雰囲気を良くするためのものではありません。
集中しやすい状態を作ったり、場の緊張をほどいて会話をしやすくしたり、時間帯の切り替えを自然に促したりと、音を使った環境づくりの一つとして活用できます。ポイントは、何となく流すのではなく、目的を決めて音量や曲調を調整することです。
音は、目のように閉じることができないため、仕事中も無意識に脳へ入り続けています。そのためオフィスの音環境が悪いと、話し声やタイピング音などの刺激が積み重なり、集中力や疲労感に影響が出やすくなります。
卒業研究ではありますが、オフィス環境における音の研究では、無音状態よりも適度なBGMがあった方が、ルーティンワークやアウトプット作業で集中しやすい可能性が示されています。またBGMには、周囲の雑音を目立ちにくくするマスキング効果があることも触れられています。
さらに、静かすぎるオフィスでは小さな物音が目立ちやすく、自分のキーボード音が気になって逆に気が散るケースもあります。適度なBGMがあると空間の緊張感がやわらぎ、目の前の作業に戻りやすい状態を作りやすくなります。
参考資料
・オフィス環境における音楽効果についての研究(大沼 美咲)
ここからは、職場でBGMを流すことで期待できる効果を整理していきます。BGMは一つの効果だけでなく、集中・回復・コミュニケーションといった複数の要素に同時に作用しやすいのが特徴です。
音楽には気分や覚醒度に影響し、作業に入りやすい状態を作る役割が期待できます。特に単調な作業やルーティンワークでは、一定のリズムがあるBGMが集中の維持に役立つことがあります。
ただし重要なのは、曲そのものに意識が向きすぎないことです。歌詞が強い曲や、急に盛り上がる曲は注意が散りやすいので、職場では基本的に聞き流せるテイストが向いています。集中を上げたい場合は、まず音量を小さめにし、歌詞のない音源から試すのが安全です。
BGMには、書類をめくる音やキーボードを叩く音などを背景音で包み込み、特定の音だけが刺さる状態を弱めるマスキング効果があるといわれています。騒音による不快感を軽減し、業務に集中しやすい環境を整えやすくなります。
この考え方は、うるさい職場だけでなく静かすぎる職場でも有効です。静寂に近い環境では、小さな物音が目立ち、周囲の話し声も気になりやすくなります。適度なBGMがあるだけで、こうした細かな音の存在感が下がり、仕事に戻りやすくなります。
参考資料(実証研究)
BGMによる言語ノイズのマスキング効果(北星学園大学)
https://hokusei.repo.nii.ac.jp/record/2286/files/003-%E5%BE%8C%E8%97%A4%E9%9D%96%E5%AE%8F.pdf
職場の緊張感が強い状態が続くと、気づかないうちにストレスが積み重なりやすくなります。穏やかなBGMは、気分の切り替えや落ち着きにつながり、休憩の質を上げる助けになります。
音楽聴取によって唾液中のストレス指標として扱われるコルチゾールが減少したという報告もあり、職場BGMがコンディション維持に役立つ可能性が示されています。
参考資料
・音楽とストレス(コルチゾール)に関する報告(USEN)
https://sound-design.usen.com/common/pdf/20131004_1016.pdf
静まり返ったオフィスでは、周囲を気にして会話がしにくいと感じることがあります。BGMが適度にあると空気がやわらぎ、妙な沈黙を感じにくくなり、自然に声をかけやすい雰囲気を作ることが期待できます。
雑談が多すぎると集中の妨げになりますが、逆に会話がゼロに近い環境も相談が遅れて作業が滞る原因になりがちです。BGMは、このバランスを取りやすくする環境要素としても活用できます。
BGMは時間の区切りを作るのにも使えます。たとえば、始業前は少し明るめの曲で仕事モードのスイッチを入れ、午前中は落ち着いた音で集中し、昼休憩後はテンポを変えて眠気対策をする、といったように時間帯で切り替える運用が可能です。
終業前に決まった曲を流すと、自然に片付けや締め作業に移りやすくなります。掲示や声かけよりも角が立ちにくく、行動の切り替えを促しやすいのがメリットです。
企業イメージの設計にもBGMは活用できます。たとえばエントランスにクラシックやジャズを流すと、上品・上質な空間を演出しやすくなります。待合スペースで穏やかな音を流すと、緊張をやわらげ、商談の入り口をスムーズにする役割も期待できます。
従業員だけでなく、来客にとっても居心地の良さは印象に残りやすいので、BGMを空間設計の一部として考えるのがおすすめです。
最後に、BGMは流した瞬間に全員へ同じ効果が出るものではありません。音量が大きい、曲調が合わない、担当者がいないと流れないといった運用の乱れがあると、逆効果になりやすいです。
だからこそ、音量の目安を決める、選曲の方向性を揃える、時間帯の切り替えルールを作る、といった小さな運用設計が重要になります。まずは小さく試し、うまくいったら仕組みとして定着させることが、BGMの効果を最大化する近道です。
単純作業やルーティンワークといったやり慣れた作業の場合、眠気を我慢しながら作業を行うことや、同じ仕事にやりがいを感じなくなりストレスが溜まっていく場合があります。
そこで音楽が役立ちます。
実際に音楽を聞くことで、リラックス状態の際に脳内にみられるα波が高まることが確認されているため、ストレス状態を緩和することで仕事の効率の向上や集中力の向上につながると考えることが出来ます。
初めて行う作業のように覚えることがたくさんあるものや、経理作業といった思考力が求められる仕事の場合、音楽が集中力を妨げる原因となることがあります。
特に文字を含んだ歌詞のあるものはおすすめしません。
しかし、クラシック音楽のようにリラックス効果のある音楽を流すことで集中力が高まるメリットも考えられます。
また、歌詞を含む音楽の場合でも、お気に入りの音楽を作業前に聴くことで人々を鼓舞する力があるという可能性を示している研究もあります。
これは、プロのアスリートが精神に力をみなぎらせるため、試合の前に自らを奮い立たせる音楽をかけ、実際に最高のパフォーマンスを行うことに起因しています。
このように、音楽を流す場合は音量や音楽の種類、聴くタイミングに気を付けてうまく活用していきましょう。
インストゥルメタルとは、歌詞や歌唱のない演奏だけの音楽を指します。
歌詞のある音楽は、脳と激しく衝突することがあります。
特に、取り組んでいる課題が視覚よりも言語に基づくものである場合は、歌詞の言葉が課題の言語を理解しようとする際の妨げとなります。
しかしインストゥルメタルのような文字がない音楽は、作業のみに集中して進めることが出来ます。
また曲の種類が幅広いため、リラックスしたいとき、逆に昼食後の仕事ではアップテンポな音楽をかけるなど、環境や時間帯によって分けることができるのも強みです。
自然音は川のせせらぎや鳥の鳴き声、雨音など自然界の音を収録したものです。
確かに、森や海といった自然に足を運んだ時に、心が浄化されていくように癒されますよね。
環境生理学研究室によると、人は自然音を聴いたときと異なる音を聴取した時とを比べた際、癒しの効果が得られるときに出るα波が脳内で増大することが分かっています。
オフィスに居ながらも自然音を聴くことで、人々に癒しの効果を与えることが出来ます。
観葉植物をみるとなんとなくリラックスした気分になることはありませんか。
実はあの「ほっとする感覚」はなんとなくではなく、実際に副交感神経が高まっている効果によるものです。
(参考はコチラ(園芸通信))
さらに、千葉大学の宮崎良文氏らの研究によると、観葉植物が視界に入るだけで、交感神経の働きが抑制され、副交感神経の働きが活発になることも分かっています。
パソコン作業の多い職場や、不特定多数の人に接することの多い職場には、観葉植物を取り入れてみるのも良いかもしれません。また「COMORE BIZ」(コモレビズ)というオフィス緑化サービスもあり、オフィスに緑を増やすことが注目されています。 コモレビズのサービスについても記事を記載しているので詳細についてはコチラもお読みください。
日光にはメラトニンと呼ばれる自律神経を整える働きがある成分を分泌する効果があります。
しかし、多くのオフィスでは、セキュリティ面の理由からブラインドや窓を締め切ってエアコンのみで空調を調節しています。
蛍光灯やLEDには白い光やブルーライトが出ており、オフィス内では近距離から直視しています。夜にブルーライトを含む白い光を大量に浴びることで目を酷使することになり、脳が昼間と勘違いしてメラトニンの分泌を抑制してしまいます。
お昼休憩のときや休憩室では太陽光が入るようにすることで自律神経が整うタイミングを作ることができます。
アロマテラピーはオイルの成分だけではなく、香りの電気信号がダイレクトに脳に届き、自律神経の中枢である視床下部という部位に刺激を与えます。 つまり、視覚や聴覚よりも香りの方が、使い方次第では強いリラックス効果を与えることができるのです。
しかし、香りは人によって好みがわかれやすいという懸念点もあります。
微香性のミストなどで抑えておくといった、あまり刺激が強くない形で香りを活用するのがおすすめです。
また、オフィスの空間を考慮したアロマデザインを導入できるサービスもあります。
@aromaのサービスでは、オフィスはもちろんホテルや病院などにも導入されているようです。
ここまで、職場でBGMを流すメリットを紹介してきました。
ただ、いざ導入しようと思うと、何を使って流すのが一番ラクなのか、どこまでなら安心して流せるのかで手が止まりやすいですよね。
そこでこの章では、職場の規模や運用のしやすさに合わせて選べる、代表的な4つの方法をご紹介します。ポイントは、音源だけでなく再生方法と運用ルールまでセットで考えることです。
まずは、従業員だけが利用する執務スペースでBGMを流す方法です。来客が入らないエリアであれば、導入のハードルが低く、気軽に始められます。
一方で、応接スペースや受付など外部の方が出入りする場所まで同じ運用で流してしまうと、取り扱いが変わる場合があります。ワンフロアのオフィスなどは、流すエリアを区切れるかどうかも含めて検討すると失敗しにくいでしょう。
次に、テレビやラジオを流す方法です。機材が少なく済むため、最もコストを抑えやすいのが魅力です。BGMに強いこだわりがない場合や、まずは音を流す習慣を作りたい場合に向いています。
ただし、話し声やCM、ニュースなどが入るため、作業内容によっては集中の妨げになることがあります。職場でBGMの効果を狙うなら、常時流しっぱなしにするより、休憩時間だけにするなど時間帯で使い分けるのがおすすめです。
選曲の幅を一気に広げたいなら、ストリーミングサービスを使う方法が便利です。プレイリストが豊富で、時間帯や気分に合わせて切り替えやすく、運用が軌道に乗るとメリットを実感しやすいでしょう。
ただし職場で流す場合は、サービスの利用条件や、流す場所の範囲に注意が必要です。さらに、個人のスマホで再生すると担当者が固定されやすく、休みの日に流れないなど運用のムラが起きがちです。
できれば、会社のPCやタブレットで再生し、スピーカーはBluetoothだけでなくWi-Fi接続も検討すると安定します。複数台のスピーカーを同時に鳴らせる環境だと、席による聞こえ方の差も小さくなります。
選曲や運用をラクにしたい場合は、オフィス向けBGMサービスを利用する方法が一番スムーズです。あらかじめ職場向けに設計された音源やプレイリストが用意されているため、集中・リラックス・会話のしやすさなど、目的に合わせて選びやすいのが特徴です。
また、著作権まわりの扱いを含めてサービス側で整えているケースも多く、担当者が毎回悩むポイントを減らせます。機材もセットで用意できる場合があるため、導入後のトラブルや運用ルールの迷いが少なくなり、結果としてBGMの効果を継続しやすくなるでしょう。
どの方法が良いかは、職場の規模と目的で決まります。まずは小さく試し、効果が出たら運用の手間が少ない方法へ移行するのがおすすめです。
職場でBGMを継続して効果につなげたいなら、音源だけでなく、運用のしやすさまで含めて整っているBGMサービスを選ぶのがおすすめです。
特に、選曲の手間がかかる、音量調整が毎回バラつく、担当者が不在だと流れないといった課題は、サービスを使うことで解消しやすくなります。
ここでは当サイトで紹介している中でも、目的別に選びやすいサービスを厳選してご紹介します。
R-LIVEは、森や川などの自然音をハイレゾ技術で収録し、専用のオーディオシステムで高音質に再生するタイプのサービスです。
一般的なBGMよりも空気感を作りやすく、集中しやすい環境づくりやリラックスできる空間づくりを狙いたいオフィスと相性が良いのが特徴です。
また、導入が比較的シンプルで、オフィス内の工事が不要なケースも多いため、まずは小さく試してみたい場合にも向いています。
KooNe(クーネ)は、ハイレゾ収録した自然音を活かしながら、空間全体の聞こえ方まで設計していく空間音響デザイン型のサービスです。
音源だけを流すのではなく、空間の形状や反響まで踏まえて設計するため、ラウンジや受付、複数エリアがある職場など、空間の体験価値まで含めて整えたい場合に向いています。
一方で、設置や施工が必要になるケースがあるため、手軽さよりも完成度を重視したい場合に検討すると失敗しにくいでしょう。
Sound Design for OFFICEは、BGM運用のノウハウが豊富なUSENが提供するオフィス向けサービスです。
ジャンルやチャンネルの選択肢が多く、時間帯や目的に合わせて切り替えやすいのが強みです。さらに、アナウンス機能などを活用すれば、昼休憩の切り替えや終業前のリズム作りなど、オフィスのタイムマネジメントにもつなげやすくなります。
オフィスの規模が大きい、フロアやエリアごとに雰囲気を作りたい、といったケースでも検討しやすいサービスです。
Sound Design for OFFICEについての記事を読む
モンスター・チャンネルは、アプリ中心で始めやすく、店舗・オフィスBGMの入門として選ばれやすいサービスです。
プレイリストが整理されていて選曲しやすく、時間帯や用途に合わせて切り替えやすい点が魅力です。まずは低コストで試して、BGMの効果が感じられたら運用を整える、といった導入の仕方にも向いています。
どのサービスが合うかは、職場の目的で決まります。集中・リラックスなど効果を狙うなら自然音やハイレゾ系、運用の手間を減らしたいならチャンネルが整ったサービス、といった視点で選ぶと失敗しにくいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
今回はオフィス環境と音楽の関係性について紹介していきました。
BGMは、人々にリラックス効果や集中力を向上させる効果があるため、ストレスや緊張状態が多少なりとも日々押し寄せる仕事との相性が抜群です。
近年、音楽が仕事に与える影響に関して注目が集まり、実際に音楽をオフィス空間に取り入れる企業が増えています。 しかし、音楽を職場に取り入れたくても何から始めればいいのか分からないという人も多くいると思います。 そこで今回、音楽サービスを提供している企業でおすすめの三社をご紹介します。
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