「取引先のオフィスが音楽を流していて、雰囲気は良かったけど、実際効果はあるの?」
「オフィスに音楽を流すことはよさそうだけど、正直最適な方法がわからない。」
など、オフィスに音楽を流すことに対して、疑問をお持ちではないでしょうか。
オフィス勤務の80%以上が、オフィスに音楽を流すことに賛同しています。
そんなオフィスの音楽について詳しく解説していきます。
ぜひ導入の検討にお役立てください。
この記事のもくじ
最近では、集中力を高めるためや疲れを癒すため、雰囲気をオシャレにするなどの理由により、オフィスに音楽を流す企業がふえています。
ビルディンググループが2017年にオフィスワーカーに対して行った調査では、オフィスで音楽を聴くことが良いことだと思っている人が、20~50代の各世代に渡って80%以上の結果になりました。
また、既にオフィス音楽を導入している企業では、97.6%の人が「オフィス音楽を継続して欲しい」と答えています。
Q.オフィスで音楽を流すことは?
Q.すでにオフィスで音楽を流しており、今後も継続するのは?
このように、オフィスに音楽を取り入れることに80%以上の人が賛成しており、また導入した後の満足度が高いとわかります。
では、オフィスで音楽を流すことの、具体的な3つの効果と5つのメリットをご紹介します。
①リラックス効果
音楽には、ストレスを軽減させ、気持ちよく仕事が出来る効果があります。
「音楽のストレス解消効果」という論文では、音楽を聞くことで心理的ストレスの減少、生理的ストレスの緩やかな減少が見られたと述べられています。
SOUNDDESING FOR OFFICEが2013年に行なった「職場と音楽についての調査」では、職場で音楽を流すことの目的は、リラックス効果 が71.3%という結果が出ています。
日々のオフィスでのハードな仕事は、知らず知らずのうちにストレスを抱えています。
オフィスで音楽を流すことで、適度にリラックスでき、メンタルヘルスにもつながります。
②マスキング効果
マスキング効果とは、二つの音が重なることで、片方の音が聞き取りにくくなる現象のことです。
オフィス内では、電話の声や雑談の声などが嫌でも耳に入ってきます。
しかし、音楽を流すことで、周囲の騒音が聞こえにくくなり、一人一人が目の前にある仕事に取り掛かることが出来ます。
③集中力アップ
そもそもBGMは集中力や生産性を高める音楽として普及しました。
実際に、集中力を高めるβ波を刺激するオフィス音楽とリラックス効果のあるα波を刺激するオフィス音楽を上手に活用し集中力をアップさせるBGMを導入している企業もあります。
①集中力や企画力のUP
オフィスに音楽を流すことで、日頃から行っている作業内容によっては、生産性を高めるという研究結果が発表されています。
これまで何度もしてきた作業を行うときには、リラックスした集中状態にするために音楽が効果的だとわかりました。
また、雑音が音楽によって消され、仕事への集中力が高まります。
②メンタルケアになる
オフィスのメンタルヘルス対策は、法律として制定されるほどの必要性に迫られる事態となっています。しかし、メンタルヘルス対策といっても、どのようなことをすればよいのかわからない担当者も多いそうです。
音楽がもたらすリラックス効果から、疲れが癒され、メンタルケアとなり、従業員のストレスの軽減につながります。
音楽を流すことで穏やかに対策をしていくことが、従業員のメンタルケアの第一歩となります。
③残業が減る
オフィスに音楽を流すことで、仕事にメリハリが出て、生産性が上がり、残業が20%減るという結果が出ています。
また、曜日や時間帯によって流す音楽を変えることで、仕事のペース配分がしやすくなり、パフォーマンスの向上や残業削減を実現できます。
④オフィス内のコミュニケーションUP
静まりかえったオフィスでは、緊張感が生まれ、人間関係が悪化します。
言葉を発することにも、ためらってしまいます。
しかし、音楽は、出会ったばかりの人同士でもすぐに仲良くなれるという力を持っています。
そのため、音楽を流すことで、社内の雰囲気が良くなり、率先してコミュニケーションが取りやすくなります。
全体的な人間関係の調和も取れ、集中して取り組んだ作業や良いチームワークの中から、完成度の高い仕事が生まれます。
⑤秘密漏洩防止になる
オフィスでは、さまざまな会話が交わされています。耳をそばだてていなくても、聞こえてしまう会話にストレスを感じる人や、逆に他者に聞かれてしまうことで会話しにくくなる人もいます。
音楽を流す事で機密事項等他人にあまり聞かれたくない会話のカモフラージュにもなります。
ここまでは、オフィスに音楽を流すと良いことを記載しましたが、間違った方法で音楽を流すと、かえって逆効果となります。そうならないために、デメリットも記載しました。
① 選曲があっていなくてイメージダウン
オフィスに合っていない音楽を流していると、企業のイメージダウンにつながります。
オフィス音楽否定派の理由として「選曲による不満」が80%を占めていることが分かりました。
幅広い世代の人が一緒に仕事をしている企業では全員の意見を取り入れることは難しく、
・好みのジャンルではないから、聞きたくない
・アップテンポの曲が苦手
・集中したいときに聞きたくない音楽が流れると気が散ってしまう
などの不満が生まれやすくなります。
➡この改善策は、クラシックなど一般的に誰でも受け入れる音楽を中心に再生することです。
特定の癖もなく落ち着いた曲調のものも多いことから、職場で最も好まれる音楽ジャンルと言えます。
オフィスでクラシックを流すことで、社員の集中力の向上を促す効果が期待できます。
気分が落ち着いたり、集中力が上がったりする効果があり、仕事の成績向上につながるでしょう。
② 選曲が同じでマンネリ化に
いつも同じ音楽では、マンネリ化してしまい、従業員が不満をかかえ、ストレスをためる可能性があります。
また、同じ音楽を聴き続けることで、作業にメリハリを持てず、その音楽を聴くと、マイナスのイメージを持ってしまいます。
➡この解決策は、定期的に季節や時間によって音楽を変えることです。
この二点を素早く解決できる方法は、オフィス向けの音楽配信サービス を利用することです。(詳しくは4の音楽を流す方法でご紹介します。)
また、エリアや作業内容によって、音楽を変える手間も省くことが出来ます。
ここでは、音楽を流す方法4つを詳しくご説明します。
それぞれメリット・デメリットを記載してありますので、是非それぞれのオフィスに合った方法をご検討ください。
*コストの目安は以下の通りです。
低:0以上2000円未満
中:2000以上10000円未満
高:10000円以上
① CDやダウンロード音楽を流す
[メリット]
・限られた選曲をずっと流すことが出来る
・音楽再生機器があれば、すぐに流すことが出来る
[デメリット]
・大人数のオフィスの場合、著作権に気を付けなければならない
・音楽の種類を変える際、手間がかかる
[コスト]
中
この方法は、音楽を流す一般的な方法ですが、オフィスで音楽を流すのに、向いていない側面のほうが多いです。
CDの再生時間は長くても2時間前後のものが多く、繰り返し再生することで聞き飽きてしまいます。またCDをわざわざ変える手間もあります。
またコストは、WHITEBGMの約68分間の著作権フリーのCDは2400円となります。そのため、この4つの中でのコストは、中くらいとなります。
購入する音楽には著作権があり、公の場で流せる音楽には限りがあります。大人数のオフィスでは、選曲の幅がぐんと減ってしまうため、オフィスのイメージに合うものを探すだけでも時間と労力を要するでしょう。
この方法はあまりおすすめできません。
② 音楽中心のラジオを流す
[メリット]
・ラジオ機器があれば、すぐに流すことが出来る
・流すためのコストがかからない
[デメリット]
・電波が不安定だと音楽が途切れてしまう
・オフィスで流す音楽番組に限りがある
[コスト]
低
コストや手間をかけずにオフィス音楽を導入したい場合には、音楽番組を中心としたラジオを流すことも一つの方法です。
ラジオの電波を受信できる電子機器さえあれば導入できるため、手軽さが大きな魅力となります。
また無料のラジオサービスがあるため、この4つの中ではコストは低い方となります。
しかし、ラジオ番組には限りがあり、社内の雰囲気や好みの音楽に合わせることが難しい場合が多いです。また、ラジオも電波状況が不安定だと途切れてしまうので、音の質や安定感は低いと考えておいたほうがいいでしょう。
オフィスに音楽を導入するのに、悩んでいる方は、ラジオを初めに導入するのは良いかもしれません。
③ ストリーミング音楽配信サービスを利用する
[メリット]
・インターネット環境があれば、すぐに流すことが出来る
・音楽の種類が豊富
[デメリット]
・電波が不安定だと音楽が途切れてしまう
・プレイリスト作成に手間がある
[コスト]
中
ストリーミング音楽配信とは、インターネット経由で音楽を提供し自由に再生できるサービスです。
パソコンやスマートフォンなどから再生しBluetooth機能やスピーカーで拡散すれば、充分オフィス音楽として使えます。
1曲1曲ダウンロードする必要がなく1日中音楽を流したままにできるところがメリットです。
再生時間、プレイリストを自由に作れる機能や、おすすめの楽曲を教えてくれる機能を兼ね備えたサービスもありアイディア次第で幅広く活用できます。
またコストは、一般的に有名なストリーミング音楽サービスのOTORAKUでは、初期費用0円、月額3780円とコストは抑え目で、4つの中では中くらいとなります。
デメリットとしては、インターネット環境がなければ再生されないため、電波が不安定になると突然途切れることがあり、安定した音楽再生ができるとは限らないところです。
また、ランダム再生だとオフィスに合う音楽が流れるとは限らない、プレイリストを作ろうとすると手間がかかるなど、再生される音楽にこだわることがなかなか難しい方法だと言えるでしょう。
このデメリットに問題の無い方は、ストリーミング音楽サービスはおすすめです。
④ オフィス音楽に特化した会社と契約をする
[メリット]
・オフィスに合わせた選曲が出来、悩みが解決する
・費用対効果が高い
[デメリット]
・導入コストや音楽を流すコストがかかる
[コスト]
高
ただ単に、BGMを流すのではなく「集中力をアップさせたい」「社内の雰囲気をよくしたい」「マスキング効果のあるBGMを流したい」など悩みに合わせた音楽を提供してくれます。
中にはオフィスの音楽を選定するコンシェルジュサービスを用意している会社もあり、悩み、職種や年齢層に合わせた音楽を選定、提案してくれるため、わざわざ自分たちでBGMを選定する必要がありません。
この方法のデメリットとしては、他の方法より費用がかかること、導入方法によっては機材の設置や購入が必要となることが挙げられます。
利用サービスやプランにもよりますが、一般的なUSENというサービスでは初期費用30000~90000円、月額5000~10000円ほどと、コストは高いです。
そのため、本腰を入れてオフィス環境を整えたい場合や競合他社に劣らない魅力的な職場環境にしたい場合に選んでみてください。
オフィス音楽導入後の効果を重視したい場合は、オフィス音楽に特化したサービスを提供している会社と契約をするのがおすすめです。
オフィスの職種によって作業内容は全く違います。そのため、オフィスの業種別や時間帯によって音楽のジャンルを変えることは、大切です。
ここでは、3つの業種別におすすめの音楽ジャンルをご紹介します。
【3つの業種別おすすめ音楽】
① 一般的なオフィス
一般的なオフィスでのBGMとしては、基本的には歌が入らない、楽器の演奏だけであるインストゥルメンタルがおすすめです。
歌を入れないことにより、音楽そのものが自然にスッとオフィスの雰囲気に溶け込みやすくなります。
まず、仕事へのやる気を高め、集中したい午前中には、爽やかで明るい雰囲気の音楽を。
J-POPヒット曲をボサノヴァテイストにアレンジしたインストゥルメンタルなどがおすすめです。
ランチタイムが近づいてきたら、食べたものを消化吸収しやすいよう、ピアノアレンジのJ-POPインストゥルメンタルや、アコースティック・サウンドのJ-POPインストゥルメンタルを流して体を落ち着いた状態にするといいでしょう。
午後からは「食後の眠気との戦い」になる可能性があるため、あまりにもリラックスしすぎる曲をかけるのは要注意です。
また、仕事をしながらも音楽を楽しめるよう、テンポのいい楽曲がおすすめです。誰もが知る有名アーティストの洋楽ナンバーをジャズ・カバーしたインストゥルメンタルや、ボサノヴァテイストにアレンジした人気J-POPインストゥルメンタルなどがいいでしょう。
そして仕事の疲れが溜まってくる午後3時以降あたりからは、ジャズ・ギターやジャズ・サックスなどのインストゥルメンタル楽曲を使ってやわらかで温もりのある雰囲気を作り出すことがおすすめです。
また休憩室や社員食堂などでは、ミドルテンポのJ-POPインストゥルメンタル、オーケストラアレンジのJ-POPインストゥルメンタル、フランスの地方の民族楽器を使った音楽・ミュゼットなどが適しています。仕事の疲れを癒し、リラックスした雰囲気を作り出せます。
② 企画系のオフィス
企画系オフィスでは「フレッシュな企画立案ができるための心地よさ」も重要なポイントであるため、ヴォーカル楽曲を積極的に取り入れていきましょう。
まず朝の時間帯は、爽やかで落ち着いた空間を演出して頭をスッキリさせるために、アコースティックナンバーを中心とした洋楽POPSを流すのがおすすめです。
雰囲気が仕事モードに完全に切り替えられた時間帯あたりからは、エレクトロニカ、ボサノヴァ、ソフト・ロックなどでポップな雰囲気に切り替えて創造力を高めてみるのも良いでしょう。
ランチタイムや休憩時は、しっかりと頭の切り替えができるように、爽やか系のPOPSやROCKを選びます。
カフェスペースを導入しているような場合は、「職場にいながらも癒されるカフェのような雰囲気」が出せるように、ボサノヴァテイストを中心とした楽曲などを流すといいでしょう。
ランチ後すぐはポップな曲で眠気を飛ばし、その後は朝から頑張ってきた脳をリフレッシュさせるために、リラックス&ヒーリング効果の高い曲を流すのがおすすめです。自然感があるR&B(リズム・アンド・ブルース)や、JAZZ系シンガーのアコースティックナンバーなどを使ってみてはいかがでしょうか。
③デザイン系のオフィス
デザイン系オフィスは「やる気・士気を高める」ということがかなり重要となってきます。若い世代にも親しみやすい、クラブ・ラウンジ系の音楽を中心とした音楽がおすすめです。
朝などは特に士気を高めるために、テンポのいい曲がおすすめです。
たとえば一定のビート感で統一されたハウス~ラウンジ・ミュージックによって躍動感を出す、などという形にしてみてはいかがでしょう。
もし「朝からでも落ち着いた感を出しながら仕事モードにシフトしたい」という場合は、ハウスミュージックの中でも緩やかに展開し派手な音色の少ないDEEP HOUSEを選ぶのがおすすめです。
休憩時やランチ時には、ダウンテンポのラウンジミュージックでくつろぎ、リラクゼーション効果を出すといいでしょう。
午後からは軽やかなラウンジミュージックや、多種多様なCLUB JAZZなどで、爽やかな雰囲気の中で仕事をこなせるようにするのがおすすめです。
では、具体的にオフィスに音楽を取り入れた2つの企業の導入準備や、導入後の効果など紹介します。
【2つの企業】
① 日本ハムビジネスエキスパート
「日本ハムビジネスエキスパート」は大阪のオフィスでは既にオフィス音楽が導入しており、東京の事業所でも福利厚生を整えるという観点から導入を決意したそうです。
導入による仕事効率化について数値化は難しいものの、「キーボード操作の音が気にならなくなった」「流れている音楽が会話のネタになり、コミュニケーションが活発になった」などの変化がみられたようです。
3ヶ月単位で流す音楽の内容を変更しており、始業前には「ラジオ体操」を、午前中は落ち着きのある音楽を意識して選ぶなど、働きやすさやタイムマネジメントも考慮してオフィス音楽の選定をしている様子から、すっかりオフィス音楽が定着しているのが伺えます。
② アマゾンジャパン株式会社
オフィスに音楽を導入する前はオフィス内の音漏れについて社員からの不満が多く、騒音に関する改善要求は各部署から届いている状況だったそうです。
そこで、マスキング効果が高いBGMを導入したところ、オープンスペースや会議室間、集中スペースで「うるさい」といったクレームがなくなりオフィス環境の改善を実現しました。
エントランスやカフェでは疲れを癒すことができるBGM、パーティー時には盛り上がるBGMを設備さえあればTPOに応じて自由に使い分けができるところも魅力に感じているとのことでした。
オフィスで音楽を流すことの具体性は見えてきたでしょうか?
今回の記事でのまとめはこのようになります。
・オフィスで音楽を流すメリットはたくさんあり、数値面や、調査結果から証明できました。
・デメリットは従業員目線の最善策を考えることで解決します。
・音楽を流す方法は各オフィスに合った方法を採用するべきですが、特に企業向け音楽配信サービスを利用することおすすめします。
・オフィスの業務内容や時間によって、流す音楽のジャンルは異なるため、その場に合ったジャンルを流しましょう。
・実際にオフィスに音楽を導入した企業は、効果は出でおり、継続していきたいとの声が多いです。
今回の記事でオフィスに音楽を導入するきっかけとなれば光栄です。
是非、オフィスに音楽を導入して、疲れを癒し、メリハリをつけ生産性を上げてみましょう。
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