あなたは仕事をするときや何か作業するとき、どんな音楽を聴きますか?
音楽には集中力をアップできたり、癒しの力があったりその効果は様々です。
しかし、選曲によってはその効果が台無しになってしまうことも…
このページでは、オフィスや仕事に特化した選曲のコツについてご紹介します。
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この記事の目次
気になる音の種類を尋ねたところ、「話し声」(46.0%)が最も多く、「電話で話す声」(37.5%)、「外からの雑音」(30.5%)、「パソコンのキーボードを打つ音」(19.8%)と続いた。
また、ほかの意見として、「プリンター待機音」「他人のブツブツ独り言」「隣席の舌打ち」なども寄せられた。
しかし、うるさ過ぎても仕事に集中できないが、静か過ぎても居心地が悪いという声があることを、職場の「音環境」に関する調査結果を行っていたUSENが発表しています。
日本のオフィス環境のおよそ7割は「静か」であるという結果が同調査で明らかになっています。
オフィス環境が静かなことにより、どのような影響があるのでしょうか。
上記の結果では主に雑音が気になるという声が多く挙がっていることが分かりました。
一方インターネットを使った調査で、20~59歳の会社員や公務員400人職場の静かさを聞いたところ、68.8%が「静か」だと感じていた(「非常に静か」と「どちらかというと静か」の合計)。同時に、シーンとした職場で仕事を行うことに対して53%が「居心地が悪い」と感じていることも明らかになりました。
まず初めに、音楽が人の心理や行動に影響する理由について簡単にご紹介します。おおまかな理由としては、音楽が人間の感情に対して直接的に訴えかけるということが挙げられるからです。
具体的には、聴覚は人間の大脳、つまり感情をつかさどる部分と結びついています。耳から入った情報は大脳へ渡り、喜びや怒りといった感情とつながっていきます。
そのため、状況に合わせてアップテンポな曲やリラックス効果のある音楽を聴くことで、人間に同様の感情を湧き起こすのです。
1-3.オフィスで音楽がもたらす効果
1.マスキング効果ある音を別の音で隠すという面で、重要な役割を果たします。 仕事中に気になる音で挙げられていた、「周囲の話し声」や「パソコンを操作する音」などを抑制する効果も見込めます。 その他にも、静かすぎるオフィス環境では、外部からの顧客との会議や契約の際に、周囲に内容が漏れてしまうことを懸念する声もあります。プライバシーの確保という面でも、音楽によるマスキング効果が期待できます。
2.感情誘導効果音楽は聴覚から大脳へ伝わり、感情と繋がっているため、「短時間」で感情を動かすという特徴があります。 例えば、ドラマで流れている音楽を聴いて突然涙が溢れた、パーティーでアップテンポな曲を聞きテンションがあがるなど、極めて短時間で感情の変化を起こすことができます。
3.癒し効果病院などでは患者の不安を和らげるためにリラックスに適したBGMを流しています。これは、リラックスできる音楽を聴くことで、副交感神経が優位になり不安を軽減することができるためです。 また不安を取り除くだけでなく、実際に痛みを和らげる効果もあります。もちろん痛みの程度にもよりますが、好きな音楽を聴くと、脳からβエンドルフィンやドーパミンといった快楽ホルモンが分泌され、これらの影響により、痛みにも耐えることができます。
4.行動誘導効果イメージ、感情に働きかけた結果「行動」にも影響を与えることができるのがBGMの力。 感情が動くことで実際の行動は変化します。また無意識の領域ではテンポによる行動スピードや時間認識の変化も起きます。「イメージ誘導効果」、「感情誘導効果」とともに、BGMの役割として重要な要素が「行動誘導効果」なのです。
2-1 メリット
➀周囲の音を緩和するオフィス内では、パソコンを操作する音やプリンターの音、周囲の話し声などが気になるという声が挙げられました。 BGMによってオフィス内の雑音を緩和することができるのです。
②モチベーションが上がる単純なルーティンワークで代り映えがなく、仕事に飽きが来てしまい、なかなかやる気がでないという声もあります。 そのような場合、作業中にアップテンポな音楽を聴くと、脳が刺激されることで個人の感情と音楽が同調し、モチベーションを上げることができるのです。また、音楽があることにより、脳への刺激にもなって眠気覚ましにも効果的です。
③集中力が上がる最近では、仕事中にイヤホン装着を容認している企業も増えています。 その場合、周囲と遮断されるので自分だけの空間が出来上がり、周囲の音を気にせず自分の作業に没頭することができます。 結果として集中力が上がり、作業効率も上がるのです。 人によって、集中できるBGMは異なります。自分専用の作業用BGMを作ることができるのも集中力を上げる要因になっています。
④気持ちをリラックスさせる音楽にはリラックス効果やヒーリング効果のあるものがあります。 特に、鳥のさえずりや波の音などの自然音には、そのような効果が強くみられます。
⑤周囲との話題が出来る音楽を職場に取り入れることで周囲とのコミュニケーション機会が増えることが期待できます。 例えば、職場にどのような音楽を取り入れようか?と共に考えることでコミュニケーションが生まれます。また、流れてきた音楽について話題になり、思いかけず意気投合する可能性もあります。 このように、静かな職場の場合では生まれなかったコミュニケーションを生み出してくれる可能性があります。
⑥帰りやすくなる終業時に流す音楽をオフィスに取り入れたことで、帰りやすくなったという声もあります。日本には、「周りの人がまだ仕事しているから、終業時刻ではあるけど帰りづらい…」と周りを気にする性格の方も少なくないです。終業時刻に音楽を取り入れることで、ON/OFFの切り替えがしやすくなります。
2-2 デメリット
➀集中力が切れる特に歌詞のある音楽の場合に言えます。仕事をしている際に、「この曲どこかで聞いたことあるな」「好きな歌手の音楽だ」といったように、集中が仕事外に逸れてしまう可能性があります。 集中力が途切れてしまうと、普段より疲れを感じ、仕事効率が下がってしまう恐れがあります。
②周囲の状況がわからなくなる特にイヤホンをしている場合に言えます。 耳を塞いで周囲と遮断してしまうため、周囲の状況が分からなくなります。 自分の世界に没頭し、周囲の人が声をかけづらいと感じたり、あるいは声をかけたのに反応がない、などコミュニケーションが取りづらくなる場合があります。 まだ、周囲に音が漏れている場合もあり、周囲の人々のストレスにつながる場合もあります。一度、音量は適切か確認してみましょう。
③皆がストレスを感じない音楽を考える必要があるある人にとっては、集中力があがりやる気がでる音楽だとしても、ある人にとっては耳障りでストレスを感じる場合もあります。 特に、歌詞がある音楽の際には注意を払う必要があります。 そのため、オフィス全体で流す場合は万人受けをするクラシック音楽や自然音などを選ぶことをおすすめします。
音楽が全ての仕事効率を高める効果があるわけではありません。 それでは、どのような場面でその効果は発揮されるのでしょうか。
①単純作業BODY BLACK TEXT : 音楽をかけることによる仕事の効率化は、主にルーティンワークや流れ作業といった「単純作業」に期待されます。 好きな音楽や作業に適した音楽を聴くと、脳は「快」の状態になります。音楽により大脳が刺激されることで、「快感ホルモン」と言われる「βエンドルフィン」や「ドーパミン」が分泌されると科学的に言われています。特に、ドーパミンは「やる気ホルモン」とも言われ、人々の行動や思考力を飛躍的に高め、効率をあげてくれます。 そのことが、仕事の効率化や新たなアイデアを生み出すことにつながるのです。 また、人がストレスを感じると「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。 しかし、リラックス効果のある音楽を聴くことで、コルチゾールの分泌レベルが下がることも研究によって解明されています。このように、音楽は脳を心地よい状態に保ち、集中力を高める効果が期待できるのです。
②思考力を要する作業(仕事開始前10~15分に聴く)単純作業の場合は、音楽が仕事の効率を高める効果があることを説明しました。 しかし、初めて行う作業や複雑な仕事など、思考力を要する作業にも音楽は効果を発揮します。 それは、「仕事を開始する10〜15分前に音楽を聴く」ということです。 好きな音楽を聞くことでドーパミンが分泌され、脳が「快」の状態になります。作業時に音楽を止めても、ドーパミンの効果はしばらくキープされるため、集中力を高める効果が期待できます。 ドーパミンには記憶力アップといった効果があるため、思考力を使う複雑な作業にも音楽は効果的です。
仕事効率をあげる上で、音楽が一定の効果を発揮することをご紹介してきました。 では、どのような音楽が特に仕事の効率をあげるのでしょうか。 先ほど述べたように、歌詞のあるものは人によって集中を欠く場合もあるのでオフィスで流す際にはあまりおすすめはできません。 そこで、オフィス環境に最適な音楽ジャンルを2つご紹介します。
①クラシック音楽クラシック音楽は、数学的・論理的な構造で作曲されています。 そのため、仕事中に流せば、クラシックの論理的・構造的な部分に共鳴し脳が整理されるでしょう。 脳が整理されることで、自身の思考も整理され、作業を効率的に行うことが期待されます。
一方、仕事に取りかかる前に「やる気を出す」「気持ちを盛り上げる」ことを目的とするのであれば、自分が好きな音楽を聴くのが一番です。 アメリカのノースウェスタン大学・ケロッグ経営大学院が発表した研究によれば、「自分にぴったり合ったタイプの音楽を聴くことで、気分と、物事を率先して行おうとする気持ちに劇的な影響が生まれる」とのことです。 音楽は、過去の経験の記憶ともつながっているもの。同じ曲を聴いても、「楽しかった時代がよみがえり、パワーが湧いてくる」という人もいれば、「悲しい出来事を思い出して、落ち込む」という人もいるでしょう。
②自然音環境音楽にはリラックス効果があるため、作業時間だけでなく、休憩時間にリラックスしたい場合にも最適です。自然音は「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」の分泌を促します。 特に、「波の音」「鳥のさえずり」「雨の音」には、”1/fゆらぎ”という、規則的音と不規則的な音が調和し人間に心地よさを与える特性があります。そのため、社員に安らぎを与えたい、リラックスして仕事を行って欲しいという場合は上記の3つの自然音がおすすめです。
今回は、音楽と仕事効率の関係性や、オフィス環境におすすめのBGMの紹介をしていきました。 単純作業の際に音楽は効果的であることや、歌詞のない、自然音やクラシック音楽などのBGMがオフィス環境ではおすすめであることを伝えてきました。 しかし、人によっては好きな音楽を聴くことでやる気がでる!という方もいますし、熟練者か初心者かで単純作業の捉え方も変わるため、必ずしも特定の音楽が仕事の効率をあげると伝えることは難しいです。 しかし音楽は聴覚から脳に作用し、効果を発揮することは科学的にも認められています。 仕事の際、集中力を高めたいのか、あるいは休憩時間にリラックスしたいのか、状況や場面によって音楽を楽しく取り入れてみましょう!
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