よりよい労働環境にするために多くの人が目をつけるのが「BGM」です。
しかし、いざBGMをかけようと考えても、
「どんなBGMが事務所に適切?」
「かけたBGMが逆効果に働いたら怖い」
など様々な不安があるかと思います。
今回の記事では、事務所にBGMをかける際のポイントやおすすめのBGMのかけ方を紹介します。
失敗しないBGMを選ぶためにも是非参考にしてみて下さい。
この記事のもくじ
まずは、どんな職場でも活用することができる4つの効果について紹介します。
・集中力を上げる
・ストレスの軽減
・作業効率を上げる
・コミュニケーション効率を上げる
1つずつBGMが与える効果について確認していきましょう。
現代の職場では交感神経が優位に立ちやすいと言われています。
現代病の一つと言われている「自律神経失調症」は交感神経が1日の間に副交感神経に切り替わらず体の緊張状態が続いてしまう病気です。
緊張状態が続くと、不眠症やめまい、手足のしびれなどに繋がり仕事をすることが難しい状態にもなってしまいます。
ストレスを軽減するにはリラックス状態を作り出す副交感神経をうまく刺激し、自律神経と副交感神経のバランスを取ることが有効です。
BGM、特にクラシックBGMや自然音にはα波という「副交感神経を刺激する脳波の発生を促進する周波」が含まれておりオフィスでの心身の緊張状態を緩めることができるのです。
さらに、BGMにはストレスを軽減するセロトニンの分泌を促進する働きがあります。セロトニンとはリラックスして笑ったり心地よいと感じたりすると分泌される物質です。
セロトニンによって自律神経系や免疫機構、代謝機能などが活性化され、心と体の緊張をゆるめリラックスすることができます。
例えば、満員電車からおりた後や朝のタスクに忙しい殺伐とした雰囲気のオフィスでは、心身は非常に高い緊張状態にあり、ストレスの負荷が大きい状態です。
その中で、クラシックBGMや自然音などを流すことで副交感神経を刺激し、ある程度のリラックス効果をオフィスに与えることができます。
BGMを有効活用することで、体をリラックス状態にし、オフィスでのストレスを軽減することが可能です。
「無音のオフィスでキーボードを叩く音だけがこだましている」
「タスクを黙々と消化するだけの殺伐とした雰囲気で緊張感がある」
オフィスにBGMを導入したいと考えている方の中にはこんなオフィスの雰囲気を変えたいから導入したいと考えている人もいるのでは無いでしょうか。
BGMの特徴は感情を刺激する効果です。例えば、ゆっくりとした曲を聞くとなんとなく落ち着いたり、アップテンポの曲を聞くことで高揚感を刺激された経験がある方も少なくないでしょう。
さらに、常に音が流れていることで話しかけるタイミングを作りやすいという効果もあります。全く音がない職場では「今話しかけたらまわりの集中を欠いてしまうのでは」「会話を周りに聞かれるのは嫌」という懸念があり話しかけることが億劫になってしまうのです。
BGMを有効活用し、コミュニケーションを取る障壁を減らすことでより社員間のコミュニケーション機会を増やすことができます。
オフィスでイヤホンをする人で「話しかけられたくないから」という理由でイヤホンをする人は実は全体のわずか1割にも満たないといわれています。(参考:https://www.i-dio.jp/special/07/index.html#content_03)ほとんどの人は自分の中のスイッチを入れるためにBGMを活用しているのです。
つまり、BGMで自分の気持ちのマネジメントをする人は非常に多いと言えます。
人間の集中力は90分程度しか持たないため、40分~60分あたりで最高の状態から半分ほどに低下してしまいため、副交感神経を刺激する時間を90分間隔でとり定期的にリラックス状態を作り出すことが重要です。
例えば、アップテンポなBGMや明るめの曲調のBGMを90分程度ながし、15分ほど異なるテイストのBGMを流すことができれば自然と時間を管理することができます。
また、社員の帰宅時間を短くしたい際などには、定時の1時間前になると流すBGMを決めることで自然と職場に帰宅意識を意識させることができるでしょう。
BGMをうまく活用し、事務所内でのタイムマネジメントを助けることができます。
ある実験では。「単純作業をしている際にゆったりとしたBGMとテンポの早いBGMかけた際には、テンポの早いBGMをかけた方が作業スピードがあがった」という結果が出ています。
ルーティングワークが多い職場などでは、作業を効率化するためにもBGMをうまく活用することがおすすめです。
作業などが多い事務所には「環境音」といわれる人間の集中力を上げることができる音が有効です。無音状態にいると人間は些細な音の変化に気をとられ集中力が下がっていきます。そのため些細な環境音があったほうが目の前の作業に集中することができるのです。
この効果を「音のマスキング効果」といいます。自然音やクラシックは一定で変化も少ないため注意が他の音に向くことを避けることができます。
自然音には「1/fのゆらぎ」という人間の生体リズムに合う波が含まれています。そのため聞くだけで心地よさにつながるのです。
さらに、自然界ではランダムに様々な音が発生するため、自然音には人間の聴覚では感じ取ることができない高周波成分が含まれます。高周波成分は体をリラックス状態にすることができるα波を脳から発生させることができます。
自然音には、体をリラックスさせる効果があるため、休憩所やラウンジに流すことで効率的な休憩などが可能です。
しかし、一般のCDや音楽機器を使った配信サービスでは、人間の聴覚では感じ取ることができない高周波成分がカットされてしまい、再現することはできません。
自然界にいるときと同等の効果を得るには、ハイレゾ対応のスピーカーでなければいけないので注意が必要です。
クラッシクにも自然音と同様にα波を脳から発生させる効果があります。
自然音よりもテンポがいいため眠くならないでしょう。しかし、あまりにも有名な曲などは集中力を欠いてしまう可能性があるので注意が必要です。
Instrumentalとは、歌詞が入っていないメロディーラインのみの曲です。
我々の日常生活では左脳を使う場面の方が多い上に、左脳は右脳よりも容量が小さいため、左脳を適度に休めることが必要です。BGMを聞くことで、左脳ではなく右脳を活用することができ左脳が休みます。
しかし、歌詞付きのBGMの場合は、どうしても歌詞の意味を追って左脳が働いてしまいます。日本語以外ではなく、洋楽でも人の声は注意が向いてしまう傾向があるのです。
そのため、左脳を十分に休めるには歌詞付きのBGMを聞くよりもInstrumentalを聞くほうがよいでしょう。
近年では会社や作業場などの事務所の特性に合わせたBGM配信サービスがあり、費用対効果の高いBGM導入を考える際にはおすすめです。
ストリーミングのBGM配信では歌詞付きの曲が多く、レパートリーを考慮してプレイリストを作るのも手間がかかってしまいます。
各職場に特化した配信サービスを利用すれば、チャンネルを変えるだけで、自然音のみを流すことや、instrumentalと呼ばれる歌詞のないメロディーラインのみが流れるプレイリストでBGMを流すことができます。
集中したい作業が多いような職場では、ストリーミングよりも状況に適したBGMを選んでくれる配信サービスを活用するのも手でしょう。
よりリラックス効果を高めたい場合には、以下の2点がポイントです
「人の声が入っているBGMを使う」
「ゆったりとしたBGMを使用する」
ここからは、そんな2点を押さえたBGMを流せるBGMの流し方を紹介します。
SpotifyやAmazonPrimeなど様々なストリーミングのBGM配信サービスがあり、パソコンやスマートフォンとつなぐことで事務所内でも活用することが可能です。
ストリーミング配信サービスを使用する際に気になるのが、著作権などの利用料についてです。オフィスなど、社員のみが聞ける環境においてのみ例外とし、著作権使用料の支払いが免除されることになっています。
一方で、従業員以外の不特定多数の人が出入りする場合には、事務所であってもBGMを流すときに権利者の許諾や利用料が必要です。
比較的費用を抑えることもでき、コミュニケーションのきっかけとなる流行りの曲にも対応できるため休憩室で流す分には十分です。
リラックス効果があるBGMをかけるおすすめの方法はラジオです。無料でランダムに曲が流れるため、音源の管理が必要ないというメリットがある一方で、パーソナリティの話し声や、選曲が流行りの曲に偏ってしまう傾向があり業務に集中することができなくなってしまうというデメリットがあります。
事務所内でラジオを流すのにおすすめの場所は、作業に集中する空間というよりは、職場内の休憩室などで使いコミュニケーションのきっかけや会話を弾ませるためのアクセントとして活用しましょう。
また、人の声が流れていることでコミュニケーションを促進する効果もあります。
様々なメリットがあるBGMですが、使い方を間違えると仕事の邪魔になってしまうことがあります。職場にBGMをかける際の注意点は以下の3点です。
・音量を適度にする
・同じ人が音源を決めたり、同じ音源を使いすぎない
・時間帯や社内の雰囲気に合わないBGMはやめる
・お客様が聞く際には落ち着いた曲調にする
具体的な対策も含めて、1つずつ確認していきましょう。
まず最初に気をつけなければいけないのが、BGMの音量です。単純に大きすぎてもいけないですが、音のムラにも注意しましょう。
例えば、大きな職場ではスピーカーがオフィスに内蔵されているため比較的どこにいても一定の音量で聞くことができます。
しかし、小さめのオフィスの場合には自前のスピーカーを使用する場合が多く、遠くの人にも音を届けるために音量をあげると、スピーカー近くの席の人が大きな音にストレスに感じてしまいます。
棚の上や、オフィスの中心近くにおくことで、バランス良くBGMが職場内に流れるようにしておきましょう。
うるさすぎる音量では、集中力を欠いてノイズになってしまったり、社内でのコミュニケーションを邪魔してしまいます。
音量に続いて気をつけておくべきなのは、BGMのレパートリーです。
同じプレイリストをかけ続けてしまうと耳がなれてしまい脳への刺激も減ってしまいます。
効果が薄まるだけではまだいいですが、同じBGMばかり聞いているとノイローゼ気味なってしまうという声もあります。好きでもないBGMを毎日聞いていたら当然ストレスもたまってくるのはなんとなく想像できるでしょう。
また、BGMのレパートリーとともに、「経営者がBGMを決めているので、毎回似たようなBGMになっている」などの声もあります。BGMのレパートリーと共に、BGMを選ぶ人のレパートリーも重要です。同じ人が曲を選んでいたら曲調も偏ってしまいます。
アンケートをとったり、BGMを流す人定期的に変えることでレパートリー不足は防ぐことができますが、オフィス用のBGM配信サービスなどで自動で流れるBGMのレパートリーを変えることができます。
オフィス向けのBGM配信サービスは費用はかかりますが、よりストレスがたまらず集中できる環境を作るためには非常に有効です。
BGMには感情をコントロールする力があります。その分だけかける時間帯には注意が必要です。
例えば、午前中には出勤の満員電車や溜まったメールチェックなどで交感神経が高まっていることが考えられます。そのため交感神経の高まりを軽減したり、オフィスに集中する雰囲気をつくるため明るいクラシックを流すと良いでしょう。
さらに、昼休憩の後のゆったりとした雰囲気の際には副交感神経が優位に立っていることが考えられます。その際にはアップテンポな曲をかけて社員のエンジンをかけたり、社員間のコミュニケーションを促進することができるのです。
また、定時近くになったらかけるBGMを決めることで自然と帰巣本能を刺激でき働き方改革にもつなげることができます。
社員の時間帯別の精神状態をアンケートやデータを活用して把握、適したBGMをながすことでオフィスの生産性を上げることを試してみましょう。
いい意味でも、悪い意味でも初めて事務所に訪れた人にとっては事務所にかかっているBGMが第一印象に影響します。
例えば、「ミスがない、質実剛健な経営や事業」が特徴の会社にJ-POPが大音量でかかっていたら会社への第一印象は全く変わるでしょう。
第一印象に余計な影響が及んでしまうのを防ぐためにも、オフィスと応接間ではBGMを変えることや、BGMをかけるのはオフィスではなく共有スペースのみにするなどの工夫が必要なのです。
今回は、事務所でBGMを流す際の注意点や、おすすめのBGMについて紹介しました。
事務所でBGMを流す際には以下の4点について注意しましょう。
・音量を適度にする
・レパートリーを増やして、BGMに飽きないようにする
・社内の雰囲気や時間帯にあっている曲にする
・お客様が聞く場合には落ち着いた曲調にする
事務所にBGMを導入する際には、まずは段階的に導入して社員の声を聞きながら最も効果的な方法を探すことから始めていきましょう。
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【専門用語も解説】オフィスのスピーカー決めに役立つ予算や音質の見方
R-LIVE(アールライブ)体験談|働き方改革を追求したオフィスで知る音の重要性
オフィスの生産性を上げるBGMとして近年話題になっている自然音。自然に近い環境の中で仕事をすると生産性が上がる。 「バイオフィリックデザイン」に基づいた考え方が脚光を浴びています。
そんなオフィスBGMとしての自然音サービスの中からおすすめの3社をピックアップし比較 しました。費用や音質、導入企業、いちおしポイントが一目でわかるので今すぐチェック!
費用 |
品質 |
工事 |
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ハイレゾ自然音を
低コストで実現。
設置も楽に完了。
費用 |
品質 |
工事 |
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独自の空間音響設計。
自然界にいるような
空間をデザイン。
費用 |
品質 |
工事 |
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多種多様な
チャンネルを用意した
オフィス専用BGM。